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整形外科

整形外科

永井病院整形外科は、津市内の二次救急の役割を担っており一般外傷の骨折手術など多数行っています。これに加え、手外科においては外傷から変形性疾患まで幅広い専門的治療を行い、また下肢関節の変形性疾患においても積極的な低浸襲手術などを実践しています。

三重県は高齢者が人口の約25%を占めており、骨粗鬆症による脆弱性骨折も増加傾向にあります。これらの骨折は寝たきりに移行する確率も高く、手術を含めた急性期治療と運動器リハビリテーションを行うことで人生の価値の損失を軽減できると考えています。

さらに当院では回復期病棟での整形外科リハビリテーションにも力を入れています。
回復期とは急性期治療後のリハビリの成果が最も得られやすい時期であり、退院後の患者さんの生活レベル向上に大きく関わってくる大切な時期です。その重要性は日々増してきており、他院にはない特徴的な整形外科疾患の運動器リハビリテーションチームを結成し、急性期治療後の診療サポートを充実させています。

整形外科部長
吉川 智朗

診療時間

9:00〜12:00
(受付時間 08:10〜11:00)
14:00〜17:00
(受付時間 12:30〜15:30)

● 診察あり ※午後は完全予約制
◎ 火曜午後「手外科」外来あり【予約制:初診可】
※ 休診、代診の場合がありますので、外来診療担当医表をご確認ください。

対象疾患

関節疾患、手外科、外傷、脊椎疾患、骨軟部腫瘍、スポーツ障害、小児整形外科、骨粗鬆症、関節リウマチなど

当院の治療について

外来治療

当科の外来では、再診の予約患者さんだけでなく、初診患者さん(整形外科を初めて受診する方や、久しぶりに受診する方)、予約なしの患者さんの診察を同時に行っております。
毎週火曜日には手の専門外来を予約制で行っております。手のトラブルでお悩みの方は、ぜひご相談ください。
当院の整形外科外来は、多くの方にご利用いただいておりますが、そのためにお待たせすることが増えてしまい、申し訳ございません。 [↑簡単なバナーで対応]

入院治療

当科に入院される患者さんのうち、9割以上は手術のための入院となります。
手術日は担当医によって異なりますが、主に月曜、火曜、木曜、金曜に実施しております。
当科では多数の手術を集中的に行っております。手術内容によって異なりますが、予定手術の場合は、手術の前日から入院し、病棟のオリエンテーションと健康チェックを受けていただきます(一部は外来で行う場合もあります)。
手術や治療についての不明点や不安点があれば、手術前に担当医と確認していただけます。
手術を受けていただく際、重要視していることは、患者さんやご家族の皆様に、治療の目的や、治療に伴う潜在的なリスクや予期しない事態が生じる可能性を十分に理解していただくことと考えています。
手術後は、疼痛管理とリハビリを行い、早期離床、日常生活復帰までの早期の回復を目指しております。
入院中は、普段の生活とは異なる環境での過ごし方となるため、不明点や質問があれば遠慮せずにお知らせください。患者様が安心して治療を受けていただけるようサポートいたします。

下肢の関節疾患について

有史以来未曾有の高齢社会を迎えた日本において65歳以上の高齢者が寝たきりになる原因として、関節疾患が全体の約12%を占めており骨折も含めると約20%になります。さらに要支援に至る原因としてみてみると骨折、転倒、関節疾患は約33%に昇ります。

近年、筋肉、関節、神経の衰えにより生じるロコモティブシンドローム(運動器症候群)への注目がなされていますが、関節の変形による痛みは歩行に障害をきたし「健康年齢」を短縮するだけでなく、転倒しやすくなり骨折に至ることもあります。

変形性股関節症や変形性膝関節症は歩行障害の大きな原因となる疾患であり、痛みを除くために壮年者以上では人工関節置換術を行っています。

当院の股関節の人工関節置換術では、患者さんの疾患の状況にもよりますが、筋肉を切離しない最小侵襲手術(MIS)を行っており、手術翌日の歩行開始が可能となっています。

人工膝関節置換術も積極的にMISのを取り入れており、こちらの術後も手術翌日から歩行が可能です。

その他のスポーツ障害・外傷においても、主として膝や股関節、足首を始めとする下肢関節の機能障害に対し専門的に取り組み適切な治療を行っており、安心して診療を受けられるよう日々診療に取り組んでいます。

下肢関節に関する障害でお困りの場合には当科外来を受診していただきお気軽にご相談ください。
患者さん一人一人に対して十分な検査と診察に基づいて状態を診断し、手術を含めた適切な治療法を選択してご提供致します。

リウマチについて

関節リウマチは、原因不明であり、以前はその告知は「がんは死刑、リウマチなら無期懲役」と患者さんに例えられるほどの辛い炎症と関節変形を伴い活動性が奪われていく疾患でした。

しかし、20世紀の終わりにメトトレキセートによる免疫抑制療法が確立されたのに続き、21世紀に入ってTFN-αやIL-6といったリウマチの疾患活動性に強く関与するサイトカインをターゲットにした生物学的製剤の使用により著しく治療成績が改善し、リウマチ患者の3%は完全寛解(薬を減らしても悪化しない。治療をやめても10年以上再発しない人もいる)、70%程度は、骨の変形・破壊はそのままにせよ、関節の腫れ、痛みはなくなり進行が停止する寛解に持ち込めるようになってきたとも言われています。

残りの骨の破壊が進行してしまう患者についても、もっと早く発見・適切な治療を行っておけばもっとよい結果が得られる可能性が高く、Treat to Target (T2T) つまり痛みをとるだけでなく関節破壊の抑制という目的を持って治療することが可能になってきました。

当院でも規模は小さいながらも、疼痛評価、病勢評価、採血データによる炎症や関節破壊マーカーの評価、投薬による合併症評価を総合的に行い、より寛解を目指して投薬治療を行い、必要に応じて生物学的製剤の使用も行っています。また、残存した破壊関節などや滑膜炎などについて整形外科的な治療が必要であれば手術加療も実施します。

まずは病気そのものを理解することの難しい疾患ですので、お気軽にご相談いただき理解を深めていただければと思います。

資格等

医師の専門性資格

[ 厚生労働省医政総発0124第1号通知に準ずるもの、および日本専門医機構認定の資格等 ]

日本整形外科学会専門医
日本整形外科認定リウマチ医
日本整形外科認定リハビリ医
日本人工関節認定医

その他資格等

医学博士
AO Truma Master Class 修了

医師紹介

整形外科部長
整形外科部長
吉川 智朗 Tomoaki Yoshikawa

専門分野 FIELD

関節外科(下肢)、関節リウマチ、外傷(下肢)、運動器リハビリテーション

患者さんへのメッセージ MESSAGE

わかりやすい診療を心がけています。

整形外科医師
整形外科医師
後藤 信二 Shinji Gotu

専門分野 FIELD

整形外科

患者さんへのメッセージ MESSAGE

地域の皆さまに信頼されるより良い医療を提供できるよう努めます。

整形外科医師
整形外科医師
西村 文宏 Fumihiro Nishimura

専門分野 FIELD

整形外科

患者さんへのメッセージ MESSAGE

地域の皆さまに信頼され、より良い医療を提供できるよう励んで参ります。

膝の痛みを抱える方へ

当院の整形外科では、変形性膝関節症の進行により日常生活での動きに困難を感じる方に、最良の治療を選択し行っています。

40歳を越えると、多くの方が「膝の痛み」に悩まされるようになります。実際、国内で膝の痛みを経験する人は約1200万人と推定され、その大部分が、「変形性膝関節症」という、膝関節を形成する大腿骨、脛骨、膝蓋骨の軟骨が徐々に減少し、骨どうしが直接擦れることで慢性的な炎症、疼痛や骨の変形が生じる病気です。

「変形性膝関節症」の痛みに対する治療は、適切な方法の選択が重要です。単に痛みを和らげる薬のみの処方は、筋肉の衰えを引き起こす可能性だけでなく薬剤の有害事象により生命予後を悪化させる可能性が指摘されています。また筋力の衰えは痛みの悪化の原因となります。

一方で、日本では年間約7万人の方が人工膝関節置換術を選んでいます。
手術の選択肢としては、全膝関節を置換する全置換術や、部分的な損傷に対応する単顆置換術などが考えられます。若い世代の患者さんでアクティブな生活を望む方々には、関節を保護する高位脛骨骨切り術も選択肢として提案しています。

<全置換術>
さらに、当院では最新のロボット支援手術装置やナビゲーション装置等を導入しており、手術の安全性と精度を更に高めています。

<単顆置換術>
私たちの目指す治療は、痛みの原因を取り除き日常の人生の質を回復する治療を目指しています。患者さん一人一人のライフスタイルやご希望を大切にし、最適な治療をご提案します。膝の痛みでお困りの方は、お気軽にご相談ください。

よくある質問

Q. 人工関節置換術は高額療養制度ですか?
A. 人工関節置換術の費用については、高額療養制度の対象となります。保険の負担割合により、1割負担の場合は約5万7千円、3割負担の場合は約8万円となります(これは医療費のみの概算です)。具体的な金額は年収によって異なるため、病院事務にお尋ねください。

股関節の痛みをお持ちの方へ

股関節の痛みに悩む方は多く、変形性股関節症はその主な原因となります。この疾患は、股関節の軟骨が摩耗してしまうことで痛みが生じ、進行すると日常生活に支障をきたすことが増えてきます。特に、長時間の歩行や立ち仕事の後に痛みが増強することもあります。

多くの場合、人工股関節による置換手術が最も即効性のある治療法とされます。しかしこの手術は、一定のリスクや人工関節の持つ寿命という問題も伴います。

当院整形外科では、変形性股関節症に対してまずは非手術的な保存療法を行いますが、効果少ない場合や他院にてすでに保存療法を行ったが効果に難渋されている方には人工股関節への置換手術を推奨しています。

また、若い方の中には、「臼蓋形成不全」という股関節の構造的な問題を持つ方もいらっしゃいます。これは、変形性股関節症へのリスクが高まる要因となります。当院では、これらの患者さんに対しても、将来の健康を考慮し、最適な治療を提案しています。

当院では股関節の手術を選択される患者さんに対し、最新のナビゲーション装置を使用しています。これにより、患者さん一人ひとりに最適化した人工股関節の提供が可能となります。手術の際には、ナビゲーション装置に重要なデータを診療放射線技師、臨床工学技士、理学療法士が術前計画を共有し、チームで連携して操作を行うため、安心して手術を受けてください。

手術の必要性やタイミング、日常生活での注意点など、何かご不明点や質問があれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。

透析室

<人工股関節置換術用CT-basedナビゲーションシステム HoloNavi One>

外傷について

「迅速かつ適切な治療で、あなたの健康寿命を延ばします」

骨折や外傷を受けた際、治療までの時間は非常に重要です。
当院の整形外科は手足をはじめとする四肢や骨盤の外傷治療に特化しており、患者様一人一人に合わせた高度な専門治療を提供しています。

特に股関節周囲の大腿骨骨折は、高齢者における主要な骨折で、年間約20万人がこの治療を受けていますが、うち約10%が1年以内に主に肺炎で亡くなっていることもわかっています。
これは、手術までの待機時間が長引くことで生じる筋力、認知能力の低下や免疫機能の低下だけでなく誤嚥性肺炎などのリスクを高めてしまうことによります。
これまで本邦における手術までの平均待機時間は106時間と言われており、これを短縮すべく多くの施設で受傷後48時間以内の手術を目指していますが、当院においてもこれに大いに賛同し実践すべく対応しています。

その他の骨折、外傷においても、世界的な骨折治療に関する研究者の集まりであるAO財団の治療概念を基本に医師、手術室看護師が共通の教育を受け、より高度で専門的な外傷治療を目指しています。

さらに三重大学整形外科や地域の開業医との連携を深めており、手術後のサポートも協力しながら実施しています。これにより、患者さん一人ひとりに最適な治療を提供することができます。

骨折や外傷を乗り越え、健康寿命を伸ばすためのサポートを強化する当院の治療方針は、緻密な治療計画と適切なリハビリを組み合わして、患者さんの早期社会復帰を全力でサポートします。

手の痛みや怪我にお悩みの方へ

手は私たちの日常生活で欠かせない器官であり、繊細かつ複雑な構造を持つため、治療が難しい場合もあります。
日常的に何気なく使っている手ですが、その動きが制限されるだけで、生活や仕事に影響が出ることが多いのです。

手外科は、一般に肩から手の先まで、つまり肩、腕、肘、手関節、指などの上肢全体の治療を専門とします。
当科では、マイクロスコープを活用した手術や、手指、手関節、肘関節、肩関節の骨折治療、ケルバン病やばね指などの腱鞘炎など、多岐にわたる手術を実施しています。
さらに、関節鏡を利用した肩の腱板修復手術や、手根管症候群や肘部管症候群などの絞扼性神経障害治療、変性疾患、手関節ガングリオンなどの治療も行っています。

当科は手の疾患に特化した外来を、三重大学との協力のもと提供しています。
手の痛みやしびれ、または怪我などの症状がある方、手の問題に関して、専門的な知識と技術を持った医師からの治療を受けたい方は、手外科外来にお気軽にお問い合わせください。

リウマチについて

リウマチの進歩と現代の治療法

関節リウマチは、過去には「がんは死刑、リウマチなら無期懲役」と表現されるほど、患者にとって辛く、活動性を奪われる疾患でした。
しかし、20世紀末のメトトレキセートの治療法導入や21世紀のTFN-αやIL-6を対象とした生物学的製剤の使用により、治療結果は大きく進展し、現在ではリウマチ患者の約3%が完全寛解に、70%以上が進行停止の寛解状態に至っています。

早期の発見と適切な治療が、より良い結果をもたらす鍵となります。特にTreat to Target (T2T) アプローチを用いて、痛みを和らげるだけでなく関節の破壊を防ぐ目的での治療が注目されています。

当科では、病勢や炎症、関節破壊マーカーを総合的に評価し、最適な投薬治療を提供しており、場合によっては生物学的製剤の導入や整形外科的手術も行っています。

リウマチは病気自体を理解するのが難しい疾患ですが、何か疑問や不安があれば、お気軽にご相談ください。