当院の食事について
永井病院の食事作りへの想い
私たち栄養管理室スタッフは、調理師、栄養士、管理栄養士と職種は様々ですが、患者さんの栄養管理や食事作りに全員一丸となって取り組んでいます。
おいしい食事だけでなく、減塩食や、糖尿病食など治療が必要な患者さんには病院食の重要性を理解していただけるよう、また術後やリハビリ期など患者さん一人ひとりに適した栄養管理を目指しています。
そして、食を通して治療に貢献できるよう、それぞれの立場から日々の業務に努めています。
食種の紹介
当院で提供している病院食は、常食、心臓高血圧食、糖尿病食、膵臓食、胃潰瘍食など約40種類あり、さらに患者さんの必要量に応じて細かくエネルギー量が選択できるようになっています。
また、術後食欲不振の方や、リハビリ栄養が必要な方、し好食対応など、必要に応じて管理栄養士が聞き取りを行い、個人対応をさせていただいています。
食事の形態
食事の形態は、咀嚼や嚥下状態に応じて、一口大、きざみ食、ペースト食などがあります。
医師をはじめ、病棟やリハビリスタッフとも検討し、一人ひとりの患者さんに適した食形態を考え、安心安全で患者さんにも満足いただける食事提供を目指しております。
食材へのこだわり
当院では、米や野菜はもとより、魚、肉類などの生鮮食品も地元のお店からの購入を基本にしており、旬の食材や価格状況などの情報を得ながら進めています。
特に野菜は、小売業者を通さず地元の青果市場から直接購入しています。
冷凍食品の活用もありますが、40年以上も前から続く長年のこだわりの一つです。
さらに近年では、地元農家さんと契約して野菜の直接購入も始めました。
献立に合わせた食材の交渉や、何よりとれたての新鮮な野菜を使って病院食が提供できるよう、今後も幅を広げていきたいと思っています。
おいしい減塩食をめざして
当院は心臓高血圧食のオーダーがたくさん出ますが、患者さんには塩分を減らしても美味しい減塩食を食べていただきたいと言うのが私たちの想いです。
塩分量は同じでも美味しくするためには、ひと手間かけることも大切な作業です。
クリームシチューは市販されているル―では塩分が多くなりすぎるので、ホワイトソースを手づくりして加えることで、まろやかな味になり1皿0.8gの塩分で美味しくなります。
牛肉の煮物は、かつおぶしからとった出し汁と塩・薄口しょうゆ・砂糖で作った八方だしに漬けこんでから加熱し、あくを取り除いてから味つけします。ひと手間かけることで、肉がやわらかくなり、塩分が少なくても美味しく感じられます。
から揚げも、以前は減塩食と常食を分けて味つけしていましたが、にんにく、生姜の量を多くすることで減塩食でも美味しくなり、今は常食も減塩食と同じ1品あたり塩分0.7gの味付けになっています。
マーボー豆腐は、前日に鶏ガラからだしを取ります。
調理には使えないキャベツの葉や人参、生姜、玉ねぎなどの野菜も加え旨みを引き出し、当日余分な油を取り除いてから味つけすることで、こくのある美味しいマーボー豆腐が出来上がります。
ひと手間かけることで減塩食でも、満足していただけるよう、工夫と努力を重ねています。
おもてなし献立
入院中の患者さんに、季節感のある家庭的な雰囲気の料理を食べていただきたい…そんな想いから始めた月に1度のおもてなし献立ですが、気づけば開始から20年以上がたちました。
病院食の中では普段使用しない食材や、手作りのスイーツを提供できるよう栄養管理室スタッフ一同で取り組んでいます。
四季折々の写真入りメッセージカードを添えて、患者さんにも喜んでいただいています。
当院オリジナルのメニュー紹介
HPD(ハイ・プロテイン・ダイエット)
褥瘡対策メニューとして運用をはじめ、20年以上が経ちました。当初は褥瘡改善を主な目的として、適した栄養補助食品を付加することから始めましたが、何度も見直しを重ね、褥瘡対策だけでなく、低栄養全般、術前術後の栄養付加など幅広く対応できるようになってきています。
特に、最近ではリハビリ栄養に特化した内容に進化させ、術後からリハビリ期、退院に向けて病態や目的に合わせて選べるようにしています。
看護師さんや先生方にも『HPD』の名称が浸透し、身近な栄養強化食としてたくさんの依頼をいただいております。
P1(ピーワン)
回復期病棟の栄養強化、長期入院患者さんへのお楽しみメニューとして、新たに考えたのが『P1(ピーワン)』です。手作りスイーツや、肉や卵を使った高たんぱくメニュー、サンドイッチのような軽食などを、必要な患者さんにプラス1品として提供しています。
『おいしく楽しく栄養強化』をモットーに、毎日楽しみにして頂けるよう、患者さんへのアンケート結果も参考に、今後もメニューの検討を重ねていきたいと考えています。
アレルギー対応
当院では、食物アレルギー食材の除去食を提供しています。アレルギーをお持ちの方は入院時に看護師、管理栄養士にご相談ください。
アレルギーではなく、好き嫌いや偏食の方への個人対応は原則お受けしておりませんので、ご了承いただきますようお願いします。
栄養指導
入院
入院患者さんには、病院食の内容や、退院後のお家での食事管理について管理栄養士が説明させて頂きます。患者さんご本人や、ご家族さんも含め、少しでも食事への不安が軽減されるように対応させていただいておりますので、お気軽にご相談ください。
外来
入院患者さんの退院後のサポート、検診・二次検査で該当された方、その他主治医が必要と判断された場合に外来で栄養指導を行っています。
生活習慣や病気の改善につながるようにサポートさせて頂きます。
栄養管理室の日々の取り組みについては、栄養室だよりをご覧ください