手術を受けられる方へ
当院の手術室について
Concept
手術室の概要
永井病院では、年間約1600 件の手術を行っています。
手術室は3室あり、清浄度クラスⅡ(HEAS-02-2022)規格の清浄度を備えております。
消化器外科、整形外科、心臓血管外科を始めとする手術のほか、循環器内科と連携したハイブリッド手術にも対応しております。
また、それぞれの専門職がその専門性を最大限に発揮できる環境を重視しております。
医師、看護師、臨床工学技士など、多岐にわたる医療分野の専門家たちの力で、多角的な視点からのサポートとケアを提供することが可能となっています。
最新の医療技術の導入を積極的に行っており、最先端の内視鏡手術装置や、人工関節手術支援ロボット、ナビゲーション支援装置を駆使することで、患者様へ安心・安全な手術環境を実現しています。
当院では、最新の技術と専門知識を駆使して、患者様一人ひとりの安全と回復を第一に考えた手術を実施しています。
ハイブリッド手術室の完備
当院はハイブリッド手術室システムを1 室備えております。
これは手術台と心・血管X 線撮影装置を組み合わせた手術室のことで、高度な医療技術に対応することができます。
この手術室の利用によって、腹部大動脈瘤に対するステントグラフト治療や閉塞性動脈硬化症に対する外科的バイパスと内科的カテーテルの混合治療を始め、ペースメーカーやCV ポートの植え込み手術など、多様な治療が可能となります。もちろんカテーテル室として運用も行っており、より清潔な環境でカテーテル手術が行うことが可能です。
当院ではこのように内科と外科の境界を越えた治療が提供可能な手術室を完備しています。
ハイブリッド手術室
手術を受けられる患者さんへ
手術について
各診療科、入院手術のほか、症例によっては日帰り手術も実施しています。主治医までご相談下さい。
手術を受けられる方へ、動画で一連の流れを説明させていただきます。こちらを是非ご覧ください。
安全に手術を受けるために
以下のものは、破損・紛失防止のため手術室ではお預かりできません。すべてはずしてから手術室へ入室となります。
・指輪
・ピアスなどの貴金属類
・入れ歯
・補聴器
・腕時計
・ヘアピンや髪をしばるもの
・コンタクトレンズ
・かつら・ウィッグ など
※ 補聴器は、会話しにくい場合や聞こえにくい場合、装着したまま手術室へ入室できます。
破損防止のためケースを持参してください。
事前確認事項
以下は手術の際に外す必要があります。●メイク・身だしなみについて
・マニキュア・ジェルネイル・つけ爪
体内の酸素量をはかるセンサーを指に取り付けるため、爪に色や装飾があると正確に測定できません。
(透明なマニキュアも×)手術中は爪の色の観察を行うので、入院前に必ず除去してください。
・化粧
手術の間、顔色を観察しますので化粧はしないで下さい。
・刺青、タトゥー、眉やアイラインのアートメイク色素に金属を含む場合があるため、
手術で使用する電気機器による通電の影響でやけどの危険があります。
・ヒゲ
ヒゲが麻酔の妨げなることがありますので、全身麻酔・腰椎麻酔の方は事前に必ず剃って下さい。
●装飾品について ・指輪について手術中は指がむくみやすくなるため、指輪をしていると血行が悪くなることがあります。
また、電気メスを使用する際に装着部に電気が流れてしまい、やけどの危険があります。
指輪が外せない場合は、指輪を切断してはずすこともありますので、
入院前に消防署や貴金属店などにご相談ください。
・かつら、ウィッグ、髪の毛・まつ毛のエクステンションウィッグや髪の毛のエクステンションは、
留め具に金属・ゴムなどの材質が使用されている場合は外してください。
まつげのエクステンションは付けていてもかまいませんが、
麻酔の際にはずれてしまうことがありますのでご了承ください。
・補聴器
補聴器をつけたまま手術室へ入室できますが、補聴器ケースをお持ちの上で入室後に必ず外してください。
・義歯
全身麻酔を受ける際、取り外しが可能な義歯に関しては気管挿管の際に誤飲してしまう可能性がありますので、外して下さい。
・眼鏡・コンタクトレンズ
メガネをかけて手術室へ入室する場合、破損防止のためメガネケースを持参してください。
眼鏡は手術室へ入室後に外して下さい。コンタクトレンズの場合は事前に外してきて下さい。
手術室へは貴重品は持ち込まず、ご家族または病棟看護師に預けて下さい。
以上、安全に手術を行うためにご協力くださいますようお願い致します。
内服中のお薬について
お薬手帳やお薬カードがありましたら初診時に提出をお願いします。
手術を受ける際に、お薬の種類によっては医師の指示により一時中止する場合があります。
サプリメントも含め、内服中のお薬は必ず伝えて下さい。
このリストは一般的なガイドラインを示すものであり、全ての方や手術に適用されるわけではありません。休薬の判断は、主治医と相談して決定します。
薬剤の休薬や再開に関する指示は、主治医のもとでのみ行われますので、医師の指示を遵守してください。
● 抗凝固・抗血小板薬
例: ワーファリン、クロピドグレル、アスピリン
休薬期間: 手術の5-7日前
● 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)
例: イブプロフェン、ナプロキセン
休薬期間: 手術の2-3日前
● メトトレキサート(MTX)
例: エタネルセプト、アダリムマブ
休薬期間: 手術の1週間前から2週間前
● 一部の抗糖尿病薬
例: グリクラジド、メトホルミン
休薬期間: 手術の24-48時間前
● 利尿薬
例: フロセミド、ハイドロクロロチアジド
休薬期間: 手術の24時間前
● 一部の高血圧薬
例: ACE阻害薬、ARBs
休薬期間: 手術の1日前
● ホルモン補充療法
例: 女性ホルモン、テストステロン補充
休薬期間: 手術の2-4週間前
アレルギーの有無について
手術室では消毒薬やテープや手袋を始めとする医療材料などたくさん使用します。
お薬や食べ物など、何かアレルギーがある方は、事前にお知らせ下さい。
卵、乳、落花生、小麦、大豆、魚、甲殻類など
● 薬品アレルギー
麻酔薬、抗生物質、造影剤、消炎鎮痛薬など
● 金属アレルギー
ニッケル、クロム、コバルト、ステンレスなど
● 物質アレルギー
ゴム、ラテックス、テープ、接着剤、保存料など
体内植え込み型医療機器の使用有無について
電気手術器の影響を受けるペースメーカーや除細動器を埋め込まれている方は、事前にお伝え下さい。
安全に手術を受けていただく前に、臨床工学技士による点検を行います。
手術日の流れ
代表的な対応手術
整形外科
骨折などの外傷手術、股関節や膝関節のロボット支援下人工関節置換術、手外科や膝の関節鏡下内視鏡手術
外科
一般外科、消化器・胆肝膵・乳腺外科手術、腹腔鏡下内視鏡手術、CVポート造設術
心臓血管外科
腹部大動脈瘤手術、ステントグラフト内挿術、四肢の末梢血管バイパス手術、下肢静脈瘤の血管内レーザー焼灼術、シャント造設術、シャントPTA
その他
ペースメーカー挿入術(一時的、恒久的)
手術の麻酔について
手術時の麻酔は、症例に応じて選択される方法が異なりますが、当院ではいくつかの麻酔方法を提供しております。
入院時には絶飲食や禁煙の指示もお伝えします。
麻酔の詳細に関しては、術前訪問時に手術室のスタッフにお問い合わせください。
手術の際に行う麻酔について、症例において異なりますが、当院では以下の方法を実施しております。
麻酔の種類
●全身麻酔
意識を完全に失うタイプの麻酔です。
麻酔ガスや点滴を通じて麻酔薬を与えれると眠りにつきます。
目を覚ますと、手術は終了しています。
麻酔からの目覚めの直後、筋弛緩薬の影響で身体を動かすのが難しくなることや
気管チューブが装着されていて声が
一時的に出にくくなることがあります。
しかし、安定した自発呼吸と動きが確認されるとチューブは取り除かれますので
驚かずに安心してください。
●硬膜外麻酔
脊髄麻酔と類似の方法ですが、薬を注入する位置が異なります。
背中や腰から針を刺して、柔らかなチューブを配置し、手術後の麻酔薬を継続的に供給することで
痛みを軽減します。
●脊髄麻酔
下半身を麻痺させる部分麻酔の方法です。
患者さんは横向きになり、背骨の間のスペースに腰部から注射を行い
脊髄を覆う部分へ麻酔を注入します。
手術後、一時的に痺れが残ることがあります。
薬の投与量によって変わりますが、通常は6時間の効果が期待されます。
●伝達麻酔
超音波エコー装置を使って、腕や足の神経周辺に麻酔薬を注入する方法です。
特定の部分に麻酔を効かせます。手術後、一時的に感覚が鈍くなることがあります。
薬の投与量によって変わりますが、通常は7時間の効果が期待されます。
●局所浸潤麻酔
手術対象部位に直接麻酔を注射して痛みを除去します。
小規模な手術の際には、この麻酔だけで進行されることもあります。
薬の投与量によって変わりますが、通常は約1時間の効果が期待されます。
スタッフ紹介
看護師
- 術中麻酔管理領域パッケージ特定看護師
- 周術期管理チーム看護師
- インターベンションエキスパートナース(INE)
- ファーストエイド
- 心電図検定2級
臨床工学技士
- 手術関連専門臨床工学技士
- 周術期管理チーム臨床工学技士
- 認定医療機器管理関連臨床工学技士
- 医療機器情報コミュニケーター(MDIC)
- 心血管インターベンション技師(ITE)
- 植込み型心臓不整脈認定士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 消化器内視鏡技師
- 第2種滅菌技士
よくある質問(Q&A)
Q. 麻酔が効かないことがありますか?
A. 麻酔の方法もたくさんありますので、 どんな手術であっても、麻酔を効かせることができます。
Q. 手術が終わってどれくらいで目が覚めますか?
A. 麻酔の種類にもよりますが、 数分から30分以内には目が覚めます。 ただ、しばらくは眠い状態が続くこともあります。
Q. お酒をよく飲むのですが、麻酔が効きにくくなるって、本当ですか?
A. いいえ、そんなことはありません。 どのような方にも麻酔を効かせることができます。
Q. 手術が終わってからの痛みは強いのですか?
A. 手術後の痛みに対して、 坐薬、 注射、点滴、 内服薬 等で楽にすることができます。 動かしたりするときの痛みは残ることがありますが、じっとしていても 痛むようなときには我慢せずにお知らせください。
Q. 手術前に除毛は必要ですか?
A. ご自身での除毛は術後感染のリスクがあるため控えてください。除毛も手術の邪魔になる場合を除き、基本的には行いません。
Q. 手術室にスマートフォンは持ち込んでいいのでしょうか?
A. 医療機器に影響を及ぼす恐れがありますので、基本的にはお断りしております。ご了承ください。
Q. 手術中に音楽を流してもらえますか?
A. はい、手術中にお好きな音楽をお流しすることができます。術前訪問の際にどのような音楽を希望されるかお聞きしますので、気兼ねなくお知らせください。